生活保護をもらっている人は、日々の生活費でカツカツ。
医療費に支払っているお金なんてない…。
だから、医療費が自己負担になってしまったらと考えると怖いですよね。
そこで、今回は生活保護に適用される医療費に上限があるか、さらに自己負担の可能性について解説します。
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生活保護の医療費は適用されれば上限はない
タイトルにある通り、生活保護の医療扶助に上限は存在しません。
普段から生活保護を受けている人はもちろん、生活保護をもらっていない人も対象になる場合があります。
生活保護を受けている人の場合
普段から生活保護を受けている人は、医者にかかるお金の大小で医療費が自己負担になることはありません。
なぜなら生活保護費をもらっている人には「医療扶助」という医療費が無料になるサービスが普段から受けられるからです。
自分の収入では生活費すら賄えない状況なのに医療費なんてとても払えませんからね。
生活保護を受けていない人の場合
あまり知られていませんが、生活保護を受けていない人でも生活保護の医療扶助のみを受けられる制度があります。
これは例を出しましょう。
例えば、札幌市に31歳の父・32歳の母・小学4年の息子がいる家庭があるとしましょう。
家賃41,000円のアパートに住んでいる場合、この家庭の世帯の保護基準額は199,510円になります。
そして父は収入90,000円・母は収入130,000円、この世帯の収入は220,000円です。
この世帯の収入は保護基準額を超えているので、普通は生活保護を受けることはできません。
なので、普通は「医療扶助」は受けられません。
ただこの世帯の場合、収入220,000円-生活費199,510円=残りが20,490円になります。
残り20,490円を超える治療(3割負担で)が必要な時に限り、生活保護の医療扶助が受けられます。
例えばこの家庭の父が費用40,500円(3割負担で)の治療が必要だとした場合、不足している20,010円が支給されるのです。
もし仮に父の医療費が8,100円だった場合、この世帯は生活保護を受けていないので3割負担になります。
この医療扶助のみの生活保護、受けられる条件は普通の生活保護の条件と変わりません。
「高額な資産を持っていない」「働けない」「親族も頼れない」ときに限り、この医療扶助のみの生活保護が受けられます。
詳しくはこちらの記事をどうぞ。
生活保護の中で医療費のみ支給してくれる制度がある!条件は普通と一緒?
生活保護の医療費扶助が適用されないパターン
生活保護をもらっている人でも、医療費の扶助が適用されず自己負担になってしまう治療は存在します。
その自己負担になってしまう医療をこれから紹介します。
なお生活保護受給者は国民健康保険に加入できないので、これに該当したときの医療費は3割負担ではなく10割負担になります。
1. 病院の個室を利用した
入院した時に個室に入れられた場合、ベッド代は生活保護費から捻出する必要があります。
そのためどうしてもやむを得ない場合以外は、「個室しかあいていない」といわれたときは、他の病室が開くまで待つ必要があります。
ちなみに、この場合に支払う必要がある費用はベッド代のみです。
2. 怪我の原因に問題がある
例えばケンカをしてけがを負った等ですね。
事故も同様です。
この場合は医療費が10割負担になります。
普段の行いには十分気を付けて、ケンカや事故を起こさないように過ごしてください。
3. 指定医療機関でない
生活保護受給者が医療を受けるには、医療券を手に入れてそれを指定医療機関で提出する必要があります。
指定医療機関でないと、医療費の10割を負担することになります。
ちなみに、夜間や休日に診療してくれる病院はすべて指定医療機関です。
4. 市町村の認められない範囲の医療
例えば歯の治療をしてもらった場合、医療費を自己負担することになるかもしれません。
歯の治療が自己負担になるかどうかは自治体によって違うので、福祉事務所に問い合わせてください。
それと、精神治療も自己負担になります。
精神治療を受けている人もつらい思いをしていると思います。
精神治療の自己負担については、日本の生活保護制度の問題点でもあります。
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まとめ
生活保護の医療費には上限はありません。
普段から生活保護をもらっている人には医療扶助が適用され、医療費の大小にかかわらず医療費が無料になります。
生活保護をもらっていない人でも、一定以上医療費がかかる場合のみ医療扶助が適用されます。
また、指定医療機関でなかったりケンカをしてけがをしたりした場合は10割負担になってしまいます。
生活保護は社会人として恥ずかしいという意見はわかります。
ただ、それで必要な治療を受けないのはよくないことです。
大切な家族や自分を救うためにも、いざというときは生活保護に頼りましょう。
生活保護の医療扶助を正しく知っておき、いざというときに対応できるようにしましょう。
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