生活保護費は働くと減らされてしまうのは知っている。

給付額が減るなら、働かない方がいいじゃないか!
 

いえ、誤解しないでください!

確かに働いて収入を得ると生活保護費は減ります。

ただ、働いた方が世帯収入は増えるのです。
 

しかし働けば働くほど増えるわけでもないです。
 

今回は、生活保護をもらっている人は働いた方が良いのかどうかを考えていきたいと思います。

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生活保護費をもらっている人が働くと給付額はどうなるの?

生活保護をもらっている人が働くと、当然もらえる生活保護費は給料の金額に応じて減っていきます。

ただ、一般的な人が思っているように
 

給付額=世帯の保護基準額ー働いて得た給料

=働いた分がまるまる減額される

というわけではありません。
 

世帯の保護基準額は、働いていない人は生活保護給付額と同等の金額になりますね。
 

では、いったいどういう風に給付額が減っていくのでしょうか?
 

給料に応じて給付額は減っていく!

働いている人の生活保護給付額は
 

給付額=世帯の保護基準額-(働いて得た給料―{基礎控除―必要経費})
 

と言った感じに決まります。
 

計算式を見てもらったら分かると思いますが、この基礎控除が「給料がそのまま引かれることにはならない」ことの一番大きい理由です。
 

ちなみにこの基礎控除は15000~35000円くらいと変動があり、給料が高くなるのに応じて高くなっていきます。
 

しかし働いた方が、世帯収入が増える!?

働いた方が世帯の収入が増えるとは、いったいどういう事でしょうか。

これは、先ほど挙げた基礎控除が深くかかわっています。
 

上に挙げた計算式に当てはめると、必要経費を考慮しない場合、世帯の保護基準額から給料がまるまる減額され、そこに基礎控除額の分だけ給付額にプラスされるのです。
 

これが、働いた方が世帯の収入が増えるからくりになっているのです。

イメージがつかみやすいように、実際にどういう風になるのか見ていきましょう。

生活保護費をもらいながら働くとどうなるのかの具体例

例1 がっつり働いた場合

まずがっつり働いた場合。
 

例えば、32歳の夫・30歳の妻・小学4年生の娘がいる持ち家世帯が東京都東村山市にあるとしましょう。
 

この世帯が、もし夫も妻も病気などで働けない状況なら、この世帯の生活保護費は「165,510円」になります。

これに、もしアパート暮らしならその分が加算されます。

障害者などがいた場合も加算されます。
 

しかしもし夫と妻が働いており、夫が9万円・妻が4万円の収入がある場合、夫の基礎控除額は22,400円・妻の基礎控除額は15,000円です。
 

基礎控除額は、この例のように一つの世帯で複数人が働いて給料を得ている場合、収入が少ない(この例でいえば妻の方ですね)方が、基礎控除額が少なくなります。
 

話を戻して、この世帯の生活保護費支給額は

165,510―(130,000―37,400)=72,910

になります。
 

13万円の給与収入に72,910円の生活保護費が受けられ、この世帯の収入は202,910円になります。

202,910 ― 165,510=37,400
 

なので働かない場合はと比べて世帯収入が37,400円高いということなりますね。
 

13万円分の労働をしても収入はたったの37,400円しか増えません。
 

これじゃあかなり損した気分になりますよね。
 

例2 少しだけ働いた場合

生活保護をもらっている人ががっつり働くと、だいぶ損してしまうことがわかりました。
 

では、もう一つ例を出してみましょう。
 

33歳の夫・28歳の妻・小学6年生の息子がいたとします。

この世帯は夫だけが働いており、その給料も15,200円です。
 

例の計算式に当てはめると、この世帯の生活保護費は
 

165,510=(15,200―15,200)=165,510
 

になります。

つまり、この世帯の収入は165,510+15,200=180,710円です。
 

上の計算式では、給料の15,200円が減らされるところを、基礎控除も15,200円になっているので、1円も減らされる事なく給与をまるまるもらえるのです。

結果、この世帯のようにちょこっとだけ働いた方が給与をまるまるもらえてお得になってしまうのです。
 

実は、私が思う生活保護制度の一番の問題点はこの部分、働けば働くほど損になる事だと思うのです。

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結論 生活保護費をもらってる人は働かない方がいいのか?

いかがでしょう。

最初に例に出した夫婦は2人で13万円分の労働をしています。

それでも世帯収入は37,400円しか増えませんでした。
 

仮にこれが時給1000円のバイトだった場合、この夫婦の時給は374円です。
 

例に出した東京都の最低時給は985円です。

つまり、この夫婦は最低時給の4割にも満たない条件で働いている事にもなります。
 

対して2つ目の例に出した夫だけが15,200円と少しだけ収入があるケースがと給与が丸々もらえました。

15,200円なら時給1000円のバイトを2日やれば稼げる金額です。
 

  • 1つ目の夫婦は130時間の労働に対して増えた収入が37,400円=時給374円
  • 2つ目の夫婦は15時間の労働に対して増えた収入が15,200円=時給1,000円

 

見比べれば一目瞭然!

生活保護費をもらってる人はたくさん働くよりもほんのちょっとだけ働く方が得なのです!
 

現状の制度のままだと、生活保護支給額を超える収入を得ない限り、お金の無駄でもあり時間の無駄でもあるのです。
 

生活保護をもらっている人が仕事で給料を得ると、世帯収入は増えます。

しかしその一方で、本来もらえるはずのお金がもらえていない現状の制度では、どうしても

「収入が生活保護費を超えないなら働かない方がマシ」

となってしまうのです。

まとめ

結論として、生活保護費をもらってる人は働くと世帯収入は増えます。

しかし現状の制度のままだとたくさん働けば働くほど損する仕組みであり、15,200円を超えないようにちょこっと働いた方が、時間に余裕が持てる分お得になります。
 

生活保護は、とにかく働いていない人を働かせるための制度と言われています。

しかし、現状の制度のままだと生活保護をもらっている人は働く意欲を無くしてしまうだけだと思うのです。
 

もし、この記事を見ているあなたが生活保護をもらっている状況で働こうと思っているなら、

「確かに収入は増える、ただ支給額を上回らないなら、本来もらえる給料は大幅に下がる」

という覚悟をして、それか給料を15,200円を大幅に超えないようにすることをおすすめします。

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